制作・設営時には適切な服装・装備をしよう

制作

安全な展示を行うためには、まずは自分自身の安全が大切です。

作業内容に適した装備・服装によって、ケガや事故なくだいじょうぶなアート制作・設営をやっていきましょう。

この記事では、主に制作・展示搬入・設営時の服装や装備品についてふれていきます。

だいじょばないポイント

転倒に注意しよう

丈の長すぎる服や、滑りやすい靴など、服装や格好が原因で起こる美術現場での事故は予想以上に多いです。

作品や物品・場所の破損だけでなく、自分や他人に怪我をさせてしまうことも多く、大きな事故につながりやすいため、必ず場や作業内容に適した服や靴を装備しましょう。

物の落下等に注意しよう

作業中、予期せぬものが落下してくることや、立てかけていた木材やパイプ、あるいは脚立などが倒れてくることもあります。

場や状況をよく検討し、身体、特に頭部を適切に保護しましょう。

巻き込み・ひっかけに注意しよう

フードの紐や服のリボン、垂れたベルト、または解けたスニーカーのひもなどがひっかかったり、機材に巻き込まれて起きるケガも多いです。

機材巻き込みによる怪我は大惨事につながりやすく、非常に危ないので、作業を行う際はシンプルかつ丈夫な服装を心がけましょう。

引火に注意しよう

火を使う作業や熱を帯びる作業を行う際は、衣類の素材にもじゅうぶん注意を払ってください。

フリースなどの毛足の長い素材は、引火した瞬間に全身に炎が広がる可能性があります。また、化学繊維のタイツ・ストッキング等は作業時の高温や火花によって溶けて体に張り付いたり、破れたりしてしまうことがあります。

必ず、綿等の燃えづらい素材や耐熱性の高い素材ででできたつなぎや長袖長ズボンの作業着などを着用しましょう。

薬剤や光・煙などに注意しよう

薬剤や溶液を扱う際は、必ず性質を調査し、耐薬品・耐溶剤手袋や耐酸作業着とゴーグル等を着用しましょう。

薬剤等の飛散だけでなく、作業により発生するガスや煙も考慮し、必要であれば防毒マスク等も用意してください。

また、アーク溶接などの強い光を伴う作業では、遮光保護具を身につけましょう。

こうするといいよ

つなぎや作業着を装備しよう

服の素材や形状によっては、巻き込みや引火など思わぬ事故が起きることもあります。ホームセンターやアマゾンなどで買える、綿の作業用つなぎや作業用セットアップは一着あると便利です。

どうしてもつなぎが用意できない時は、紐や飾りなどのついていないプレーンな、綿などの丈夫で耐火性がある生地の服を作業着として装備しましょう。サイズは、タイトすぎもルーズすぎもしないものを用意しましょう。

また、スカートやショートパンツ・フレアパンツなどは裾を踏んで転倒したり、肌が出ている部分を怪我しやすいため、作業はなるべくシンプルな長袖・長ズボンで行うといいでしょう。

長い髪はまとめよう

長い髪の毛は、ベルトサンダーやインパクトなど、回転系の工具に巻き込まれると非常に危険です。

横髪までしっかりまとめ、結んでも長い人は服の首回りから中に入れたり、帽子に入れ込んだり、お団子にするとよいでしょう。

アクセサリーは外そう

指輪や腕時計・ブレスレットやピアスは作業時、物にあたって壊れたり、材や作品を傷つけたりすることがあります。

また、物品破損だけでなく、自身や他人が怪我をする可能性も高めてしまうので、作業時には必ず外しておきましょう。

必要に応じて手袋を選ぼう

手袋にはグリップをよくして重い物を持ちやすくしたり、ささくれや怪我などから手を守る効果があります。

「バリ取り」(面を滑らかにする加工)が行われていない木材などは、素手で軽く触れただけでトゲが刺さることもあります。

これらはなるべく手袋をして扱いましょう。

木材を扱う・重い物を持ち上げる作業

軍手やゴム軍手があると便利です。

溶接や金属カットなど、火花や高温を伴う作業

耐火や耐熱規格をクリアした革手袋・耐熱グローブなどを使いましょう。

薬品や酸を扱う作業

必ず、溶剤耐用表示や耐薬品表示などの規格を確認し、扱う薬品に対して適切な手袋を着用して下さい。

手袋を装備するべきでない作業もある

ボール盤など、回転工具や機材巻き込みの可能性がある場合には、素手の方が安全な場面もあります。

作業の特性を踏まえて検討し、自信がない時には「〇〇(機材名) 手袋 巻き込み」「〇〇(機材名) 手袋 危ない」などのワードで検索して結果を参考にしたり、機材の管理者やメーカー等に問合せ・確認等を行ってください。

【参考動画:ボール盤への手袋巻き込み】

ボール盤と手袋1 Shimalithweb

【参考】

Amazon作業用手袋(別サイトへ飛びます)

破片や火花・飛沫が飛ぶ作業では、ゴーグルをつけよう

板や金属を切断・削る時などに、細かな破片や火花が飛んで目を傷つけることがあります。

また、薬品を使う作業では飛沫が飛び、目に悪影響を及ぼすこともあります。これらの作業の際には必ずゴーグルを着用し、大切な目を守るようにしましょう。

また、裸眼よりはマシですが、日常づかいの眼鏡は横の空間があいているため、万全の対策とは言えません。

危険度の高い作業は、視力補正用コンタクト&目の保護用ゴーグルで臨んだ方がよいでしょう。

【参考】

Amazon保護ゴーグル(別サイトへ飛びます)

安全な靴を履こう

作業内容にもよりますが、基本的に作業・設営時は靴底がフラットで、かつ、足の甲までしっかり覆うタイプの運動靴などを着用しましょう。靴紐がないものだとよりベターです。

どうしても紐靴で作業をしなければならない場合は、紐を踏んだり巻き込まないよう、余った靴紐を編んだ部分に通したり、テープで固定するなど工夫しましょう。

また、重いものを運搬したり、単管などを組む際には安全靴を履きましょう。安全靴は、足の甲や爪先に鉄板が入っており、足の上に物が落ちた際の衝撃を和らげてくれます。

また、火・熱を伴う作業や、水場での作業、電気に関わる作業などの際には、場面にあわせて耐熱・耐水・対滑・電気絶縁特性など、適切な規格の靴を選びましょう。

不安な際は、大きなホームセンターなどに行き、作業内容・作業環境についてスタッフさんと相談しながら選ぶと良いでしょう。

【参考】

ミドリ安全.com 【安全靴・作業靴】規格から選ぶ(別サイトへ飛びます)

Amazon安全靴(別サイトへ飛びます)

マスクをしよう

丸のこで木材を切るなど、ものを切ったり削ったりする際には、非常に微細な屑や塵が発生します。これらには、通常のマスクの目の細かさでは防げないサイズのものも多く含まれています。

これらの微細な塵が肺に入ると、「塵肺症(じんはいしょう)」と呼ばれる病気を引き起こします。直接要因として咳・息切れ・呼吸困難を起こすだけでなく、他の病気にかかった際の呼吸器症状が悪化しやすくもします。

切断・研削加工を行う際には、防塵マスクを身に付けましょう。

【参考】

Amazon防塵マスク(別サイトへ飛びます)

高所作業等をするときはヘルメットをつけよう

頭部は、打ち所が悪いとすぐに大きな事故や重大な後遺症につながります。

作業時には自他共に、「気をつけすぎかも?」というくらい気をつけていきましょう。

例えば、天吊り作業や照明調整などをする際には、頭上から物が落ちてくる可能性や、脚立や台から足を滑らせ、落下に伴い頭をぶつける可能性があります。

また、鉄パイプを組む作業などでは、方向転換時など、重量物が速度を持って頭のそばを通ることもあります。

また、電気ケーブルや配線等を扱う作業では、頭部が感電してしまうこともあり、これも大変危険です。

こういった作業において、ヘルメットの着用は大変重要です。また、その保護機能を最大化すべく、顎ベルトを止めるなど、正しく着用してください。

ヘルメットには、様々な安全規格や、飛来・落下物用・墜落時保護・電気用機能など、さまざまな使用区分などがあります。行う作業の内容を鑑みて、なるべく適切なものを着用しましょう。

【参考】

ミドリ安全.com 安全ヘルメット(別サイトへ飛びます)

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